糖尿病網膜症
●糖尿病網膜症とは
網膜は光や色を感じる神経細胞が並んだ、大切な組織です。
ここには細い血管が多数走っており、糖尿病になると徐々に血管が傷み、出血やむくみ、血流障害を引き起こします。
糖尿病網膜症は 中高年の失明原因の第2位 とされますが、初期は自覚症状がほとんどありません。
血糖コントロールが良好でも、気づかないうちに進んでしますことがあるため、定期的な眼科検診が重要です。
●症状について
進行すると次のような症状が出る場合があります。
- 視界がかすむ(霧がかかったように見える)
- 黒い影や虫のようなものが見える(飛蚊症)
- 視力低下
●検査について
当院では次の検査を組み合わせて、網膜の状態を詳しく評価します。
- 眼底検査:網膜の出血、むくみ、血管の状態を確認
- OCT(網膜断層撮影):黄斑浮腫など微細な変化を評価
※ 蛍光眼底造影が必要な場合は、京都大学医学部附属病院眼科などの高度医療機関へご紹介いたします。
●当院での対応について
大学病院の糖尿病網膜症専門外来で多数の症例を診療してきた経験を生かし、早期診断や経過の見極めを丁寧に行っています。また、必要に応じて網膜レーザー治療にも対応しております。さらに、より高度な治療(抗VEGF薬の眼内注射や硝子体手術)が必要と判断した場合には、京都大学医学部附属病院などの専門施設と連携し、適切な時期にご紹介いたします。
●治療について
網膜の状態に応じて治療方法を組み合わせます。
- 血糖コントロール(糖尿病治療の基本)
- 抗VEGF薬などの硝子体注射(黄斑浮腫の改善)
- レーザー治療(網膜光凝固術)